2007年04月25日

白い紅茶より、第100番 ファイト・オフ

「今後、もしあいつが付けたらさ・・・俺、見たくないから隠してよ」




と、私が思っていたのと違う話で・・・




怒られなかったから「良かったあ!」と、緊張の糸が途切れた。

気が抜けて思わず笑顔になっちゃった。




それに・・・先輩の要望を聞いて納得した。




先輩が入院してから今まで

私からかずの話をするのは極力避けてきた。

偕成の結城さんにもむかついてたからね。




そこで、いきなりそんなマークみたいのを見せつけられて

かずと私の仲の良さを嫌と言う程感じたんだろうね。

だから「あいつと上手くやってるんだな」なんて言い出して・・・




しかも「隠せ」だなんて・・・よっぽど嫌なんだろうな。




先輩、もしも、そういう事があったら絶対見せませんから

そんな心配しなくても・・・大丈夫です。

かずを思い出させるような事は、なにもしませんから。




と、は、思うけど・・・




かずってさ、そういうマークってつけたりするのかな?

全然想像がつかないよ・・・

あ、私が想像出来ないのかな?

いやいや、そういう場面を考えたくないのかな?




それにさ・・・なんで先輩ってあのマークだって分かったんだろ?

もしかしたら、つけられたことあるんじゃない?




ええーっ!うっそ!それって・・・%&*?"O3)'/*i[}|\oR-#

このあと、私の心の中の住民はこの話題で盛り上がってたよ・・・




ま、まあ、とりあえず先輩の話を了解しておこう。




「万が一、そういう事があったらそうする・・・ないと思うけど」
 
「そうかなー、そうだといいんだけど、先に言っとくよ。

見せびらかされると困るからさ」




なーんて言って、また私の事を信じてくれてない先輩。

しかも私が、そんなものを見せびらかすような性格じゃないって

知ってるはずなのに、そんな予想までしているのにはちょっと

むっとしたけど、そこまで心配している先輩に苦笑しちゃった。




そして、逆のパターンを考えちゃった。




仮に先輩に彼女が出来たら・・・

好きだった先輩が、今は違う人と仲良くしてると思うだけで

複雑なのに、生々しい想像が出来るようなものを見ちゃったら・・・




私なら間違いなく、思い切りいろいろいろいろ想像して・・・

「うわーん」と、泣き出したり

「やめてー」と、うめきながら撃沈しそう。




頭では「仕方ない」とか「恋人同士だから」と納得しても

まざまざと現実を見せつけられた気になるだろうな・・・




うあ、寒気がしてきたかも。顔が笑ったままこわばったよ。

疲れてきた。「考えるんじゃなかった」って後悔したよ。




でも先輩は、そんな私を見ながら「なんで笑うんだよ・・・」って

面白く無さそうな顔をしていたから

私は気を取り戻して「あ、ごめんね」と言ったあと・・・




「分かった。そしたら、先輩のも隠してくれると助かるかな・・・」




って、言っておいたよ。

だって、ともかく嫌でしょ。

さっき考えただけで疲れちゃったり大変だったんだよ?




私は、先輩からすんなりと「うん。分かった」って言ってもらえると

思ってたのに・・・




「いや、隠す必要ないよ」




と、すんなりまでは合ってたけど

予期していた言葉とは全く逆の返事をもらって

思わず・・・




「え、どうして?」




と、何故なのか分からなかったから、目をぱちぱちさせてた。




「そんな必要ない」って・・・そんな馬鹿なっ!




何で、私には「隠せ」って言って、私には見せるの?

ちょっとだけ・・・じゃなく、かなり先輩が鬼に見えてきたよ。




そしたら先輩は・・・




「だってさ、俺についてたら、それはさくらのだぞ?」




と、また、クッキーを食べてたら喉を詰まらせるような事を

言い出した。

食べてなくて良かったよ・・・ってもう全部先輩が食べたんだよ!




それこそ、あり得ないでしょって!

私はかずと付き合ってるんだから。




だから「私は先輩にそんなこと出来ないよ?」から始まって

「大体、先輩はもてるんだから、その気になれば

彼女なんてすぐ出来そうだと思って、お願いしてるのに」


とまで言ったのに




「つけていいのはさくらだけ」とか

「好きな子に好かれて初めてもてるって言うんだから

俺は全然もててないよ」
と反論された。




私は聞いてるだけで気恥ずかしくなる返答に困って・・・

ついに、ここで心の中の住民全員が知りたい疑問が爆発!




「つけていいのは私だけって言ったけど、なんで私のあざを

あのマークだって言ったの?それは・・・誰かにつけられた事が

あるからでしょ?」




「さー本音トーク行ってみよう!」みたいなノリで

言ったら、先輩はさすがに焦ってた。




そして、そんな先輩を見て

「え、つけられたことあるんだ!」と思って

質問しちゃったのを後悔した。




そこで初めて、私は・・・




先輩からの「一度もないよ」っていう答えを

大いに期待していたんだって気が付いたよ。




そんな・・・誰よもう・・・今度の質問はそれにする?

で、でもそれを聞いちゃったら、二度と立ち直れなさそう。

よく知ってる子だったら、なおさらだよ。




え、よく知ってる子・・・?




ああ、もう、充分に打ちのめされた気がする・・・




なんて、1人でお布団を被って寝てしまいたい気分になってたら・・・




「だから、場所だよ場所。それに俺はそういう経験は無いけど・・・

いや、やめとこう。言えるのは、今まで誰も俺に付けてないし

誰かに付けた事もない」




「俺は無実だから」って言ってるような口調だったけど・・・

「でも、見たことあるんでしょ?」と、突っ込んでみると

「・・・さくらだって本当なのかよ?」なんて、話をすり替えられたよ!




その時点で「先輩は見たことあるんだな」と確信したけど

私の話になってしまって、慌てて




「え、なにが?」「あいつに付けてたりするんじゃないの?」

「だーからー、そういうのは一度もないって言ってるよ?」





などと間髪いれずに話してた。

先輩の、意外な人物から見せてもらった話を聞いて驚きながらも

一所懸命お互いに「無実だ!」と主張し終わったら、2人で笑ってた。





そして、この話題になった時からか

今日のお見舞いの時間全部かは

もう分からなくなっていたけど





先輩に対して私の言動は良くなかったと思い起こして




「今日、全然言葉に歯止めがかかってなくてごめん。

気分悪くしたりしなかった?もし、してたら・・・」




と、心配そうに聞いたら・・・





「全然。逆に今日の方がいいよ」

って気にしてなかった様子で安心した。





そして・・・





今日から先週より早く帰るから

また先輩の寂しい顔を

どうやって軽減させるか悩むだろうと思ってたけど






今日、初めて先輩は笑顔で見送ってくれました。


posted by Sakura at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 白い紅茶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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