2007年08月26日
白い紅茶より、第223番 懐古
だって。
拓也先輩に告白されたけど
私には、気になるかずがいた。
「同じ楽団に入団して欲しい」
という希望をも、私は叶わぬものにしてしまった。
そんな私に何故、未だに
先輩は優しさをくれるんだろう?
一緒に楽器を吹いていた時となんら変わらない。
先輩への苦しい程切ない思いと
部活や曲、楽器の話に夢中だったコトや
同期や他の先輩達との楽しい時間が
一瞬で私の中を駆けめぐって
タイムスリップするくらい・・・
それ位同じで、温かさがあって。
懐かしさに、浸りたいけれど
先輩には・・・
私に対して、裏切られたとか悲しい気持ちは
全然ないのかな・・・
「着いたね、と・・・あれっ」
「あ、そうで・・・うわ」
先輩と私、売店を覗いて驚いた。
ヒト1人が歩ける程の通路の幅だった。
「あー、松葉杖で来れば良かった」
「うーん、困りましたね・・・」
どうしようかな。
こうなったら、私が1人で売店に入るしかないのだけど
先輩も欲しいモノとかあるよね。
「先輩」
「ん?」
「私、買ってきます。何か欲しいモノありますか?」
「うーん、そうだな・・・いや、いっか、いいよ。
何も買ってこなくていいよ」
えー、それはないでしょ。
「ゼリーも?」
ちょっとゆっくりめに
聞いちゃったりしたら・・・
「ダイエット♪」
って!
「ええっ!ホントですか?!」
「え?そんなに驚・・・」
「何言ってるんですか、
先輩にはそんなの必要ないですよ。
何でまたどーして、そんなコトを
思いついたんですか!
他のヒトが聞いたら、絶対絶対怒りますよ?
敵でも作りたいので・・・」
「さ、さくら」
先輩が、人差し指を口の真ん中に当てて
しーっと言ったのを見て、私はやっと気がついた。
あ・・・(汗
人々の視線が強烈に痛い・・・?
のは気のせいじゃない!
痛すぎるっ!
やっばーい・・・
つい興奮して騒ぎすぎちゃったよ。
「すみません先輩。行ってきます・・・」
しゅーんとしながらも
原因は先輩が作ったんだからっ!(怒
なんて、心の中ではぶつぶつ呟いてたら
「ここで、待ってるから」
穏やかにそう言って、先輩は
軽く、手を振ってくれた。
笑顔付きで
まっすぐ私を見てくれてた。
そんな先輩をちょっと見つめて
やっぱり変わっていない先輩を確認した。
私は、先輩と同じように応えながら
快く受け取ってしまっていいのか
ちょっとだけ迷ったけれど
守ってくれてるような笑顔が嬉しくて
結局、素直に喜んでしまったのでした。

